ゲームクリア感想307_都市伝説解体センター(PS5版)
緊急更新です。
ちょっとこれは熱のあるうちに感想を一所にまとめておく必要があると感じ、ほかの予定に先んじて更新しました。本来なら2~3ヶ月ごと更新の、ボリューム少なめゲームまとめ記事に回す予定を変更しました。作品の熱量に応じる必要があるという勝手な思い込みに駆られました。
本作との出会いから思い出すと、おそらく初発表のときからすでに購入リストにメモしていたと思います。やらない理由がないくらいに当時から魅力的なコンセプトだったので、発売まで待つのもさほど苦になりませんでした(ほかに積みゲーがたくさんあったからというのもありますが……)。なるべくネタバレはないようにしております。
こういう形で報いることしかできない |
【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.0.1難易度 設定なし
クリア時間 約 21 時間(放置時間除くと約15時間程度? )
トロフィー取得率 100 %
【良かった点】
◎ストーリーの面白さ
想像していたよりもずっとコンセプトが力強く、最後まで引力のあったストーリーでした。なんとなく真相を掴めてからいよいよ最終段階の“解体”に至る流れに大変カタルシスがあり、最終話などは心拍数の跳ね上がり方がアクションゲーム並みでした。プレイ当時は夜も更けていたので最終話は明日に回そうと思っていたところ、中断してこの貴重な体験を損ねてしまうのはもったいなくないか? と思い直し、夜ふかしして一気にクリアしました。健康にはよくないですが致し方ない。後悔はありません。
実のところホラーやオカルト色はそこまで色濃くないと思います。都市伝説と現代SNSの問題をうまく絡めた内容で、ホラーやオカルトとは別種の気分の重さが味わえます。日本語圏SNS(旧Twitter)のイヤな雰囲気をここまで再現しているゲームはほかにないと思います。アイコンやユーザーネームやミーム、構文、陰謀論などあまりにも既視感ある雰囲気で、よほどの“ツイ廃”でないとこれは再現できないでしょう。誰かから訴えられないか不安になるくらい(特に4話)。
すみません。ここだけどうしても好きなので載せました |
そして、これらはただネットのノリに阿った描写ではなく、ストーリーで必要な描写として不快なものまでしっかり描ききっているのも好感。ゲームのこの手の描写はたいていふわっとした愚民の描写かネット阿りのどちらかになりがちなところ、本作からはそういう浮つきを感じなかったです。
主人公と相棒が(上の画像にもある通り)まともな倫理観を持つ善人なので、作中の強烈な描写に対して作中で常にカウンターが入るバランスも良い。
また、ホラーやオカルト色は強くないといっても、しっかり勘所は抑えているので気にならなかったです。ミステリー・ホラー・オカルト・都市伝説・陰謀論と、この手のフィクションが好きな人たち(※1)を誘蛾灯のごとく集める要素が一通り揃っているのでむしろ満足感があります。
◎推理の適度なやりごたえ(易しめ寄り)
ゲームとしては各話ごとにゲーム内SNS検索→現地調査の繰り返しで推理を重ねながら最終的に真相を“解体”していく流れとなりますが、推理自体はそこまで難しくなく、解答を間違えても特にペナルティはないので読み解きに自信のないプレイヤー(私です)でも大丈夫でした。
かつゲームが進むにつれて適度に悩ましくなる難度のバランスも程よかったです。。ゲームオーバーを迎えることも時間制限もないのでゆっくり遊べます。もちろん、バックログやテキスト早送りもアリ。
◯アニメーションの細かさ
素人目から見てもすごく良く動くなぁと思います。
◯音楽の良さ
ドラマのように(ゲームで言うならアランウェイクシリーズのように)毎話の終わりに主題歌「奇々解体」が流れます。ビジュアルイメージとは違う雰囲気の曲調で初めて流れた時は面食らいましたが、ゲームを進めていくにつれてマッチしてきました。通常のサウンドも良く、こちらはビジュアルとマッチした感じで雰囲気ぴったり。
追記:Steamでサウンドトラックが発売されているようです。
◯実績/トロフィーの取得が容易
クリアで100%になるタイプです。クリア後、これらの取得だけにストーリーをやり直して目的の場所までテキスト早送りしまくって条件を達成する、というおなじみの行動をする必要がないので、ストーリーに集中して進めたあとはクリアの感慨にゆっくりと浸れます。
【気になった点】
冷静に振り返るとこれといったものはない気がします。仮にあったとしてもゲームボリュームからすれば許容範囲というか。メッセージの表示速度は個人的にもう少し速めだと個人的に快適だったくらい。不具合に見舞われることもありませんでした。
強いて言えば下記の点でやや引っかかりました。個人的な価値観としての話なので読み飛ばしていただいても構いません。
- 運転中のながらスマホ? と思いかねない描写があった(第2話)。車をどこかに止めて通話しているかハンズフリー通話しているのだろうと脳内補完できるので大したことではないものの、法的にOKなのかと一瞬思った。でも発売されているということはおそらく問題ないのでしょう。ほかのゲームで咎められているのも見たことがないので……
- 各話の黒幕?(最終話に登場するキャラクター群ではなく各話ごとの真犯人的な存在)が特定の属性であることが多く、第1話はともかくとして第2話以降はある程度推測できてしまう。もっとも推測できたところで体験が毀損されることはなかったしストーリー設定にも関わるのでそれが悪いわけでないが、ごく個人的にはもったいなく感じた。
【まとめ】
傑作。ゲームに込められた熱量がすごく、ただ遊んだだけのこちらの背筋も伸びました。ゲーム面ではこれといった不具合もなく、ストーリーでもブレることなくコンセプトを貫徹しているのでクリア後の満足感が大変高いです。2025年初新作がこのゲームで本当によかったです。例年よりもいいスタートを切れました。
もうとにかく「都市伝説解体センター」というタイトルになにか惹かれるものを感じたらネタバレを踏む前に購入して遊んだほうが良いです。私は週末を使って一気にクリアまで駆け抜けましたが、容量もゲームボリュームもほどほど、ゲームオーバーもないので、忙しい平日でも一日一話くらいの間隔で進めていけば飽きる前にちゃんと終われます。
とここまでひたすら絶賛が続いたのですが、やや人を選ぶ面もあります。作中のキャラクターやSNSの描写など胸糞が悪いものがあるので、そういうのを受け付ける気分じゃない方は控えたほうがいいかも。リアリティがあるので一気に摂取するとそこそこ喰らいます。SNSの盛り上がりに流されすぎず、買うだけ買ったらゆっくり進めるのもありな気がします。あと「本格ミステリー」「本格ホラー」などワンジャンルの本格派を求めているとズレが生じるかも。
今にして思うとこの間に開発元の過去作(「和階堂真の事件簿」シリーズ)もやっておけばよかったですね。そちらもいずれ……(また年末年始で積みゲーが増えた)
傑作。ゲームに込められた熱量がすごく、ただ遊んだだけのこちらの背筋も伸びました。ゲーム面ではこれといった不具合もなく、ストーリーでもブレることなくコンセプトを貫徹しているのでクリア後の満足感が大変高いです。
2025年初新作がこのゲームで本当によかったです。例年よりもいいスタートを切れました。
もうとにかく「都市伝説解体センター」というタイトルになにか惹かれるものを感じたらネタバレを踏む前に購入して遊んだほうが良いです。私は週末を使って一気にクリアまで駆け抜けましたが、容量もゲームボリュームもほどほど、ゲームオーバーもないので、忙しい平日でも一日一話くらいの間隔で進めていけば飽きる前にちゃんと終われます。
とここまでひたすら絶賛が続いたのですが、やや人を選ぶ面もあります。
作中のキャラクターやSNSの描写など胸糞が悪いものがあるので、そういうのを受け付ける気分じゃない方は控えたほうがいいかも。リアリティがあるので一気に摂取するとそこそこ喰らいます。SNSの盛り上がりに流されすぎず、買うだけ買ったらゆっくり進めるのもありな気がします。
あと「本格ミステリー」「本格ホラー」などワンジャンルの本格派を求めているとズレが生じるかも。
今にして思うとこの間に開発元の過去作(「和階堂真の事件簿」シリーズ)もやっておけばよかったですね。そちらもいずれ……(また年末年始で積みゲーが増えた)
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