ゲームクリア感想126_ヒットマン ザ・コンプリートファーストシーズン(PS4版)

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前作(アブソリューション)の記事はこちら


 前々から気になっていたところ、今年に入ってPS Plusのフリープレイで配信されたので早速確保しました。
 気になっていたならなぜ発売日に買わなかったのか? という話ですが、前作のアブソリューションが自分に合いそうでそうでもなかったという実感があり、このシリーズに積極的に取り組むモチベーションが足りなかったからです。
 こう、ディスオナードやこのヒットマンシリーズみたいに、自由度の高さを売りにしている箱庭系ステルスゲームというのがあまり合わないと自認しています。自由度が高いのはいいものの、私がやると己の発想の貧困さ故かその自由度を引き出しきれず、単に雑なプレイになりがちで……
 しかし本作は、そんな私でもある程度楽しめるような作りになっていました。


バージョン 1.37
クリア時間 約30時間
難易度 NORMAL
トロフィー取得率 38%


【良かった点】


◎(日本語版のみ)超絶ハイクオリティなローカライズ

 ゲーム史に残るレベルだと感じました。
 ただでさえ膨大なボイスがほぼ全て吹き替えられており、字幕の出ないNPCの雑談なんかも全部吹き替え済み。
 加えていずれも話の内容や演技が面白く、暗殺というよりも会話を楽しむために探索をしていました。人によっては原語からアレンジしすぎに感じるかも知れませんが、私は気になりませんでした。

 ただ現状、PS Storeからだと別売りの日本語パックを購入する必要があったと思います。そこだけちょっと煩雑ですが、絶対オススメです。


○目標設定してくれる「アプローチ」の存在

 暗殺したくても何から手を付ければいいのか見当がつかない、という私のようなプレイヤーのために、ゲーム側から何種類か暗殺手段を提示してくれます。私はこれがなかったらクリアできなかったです。

 探索中、主にNPCの会話などからこれを発見し、発見したあとは小目標を何回か達成していけば、暗殺に有利な状況に持ち込める、という流れです。
 一定時間過ぎたりタイミングを逃すと追えないアプローチもあります。かといってこれを見つけさえすれば勝ちというわけでもなく、始めのうちはアプローチ達成までの小目標をクリアするのにもかなり手間取ったので、ゲームのやりごたえを損なうようなものでもありません。
 私は、ひとまずアプローチの全達成を目標にしてゲームを進めていました。結局未だに達成できていませんが、ちゃんと満足感は残りました。

 また、一回発見したアプローチは記録されるので、再プレイの時はわざわざ再発見しなくてもメニュー画面から追跡できます。このへんも親切。


○未警戒時はいつでもセーブ可能(難易度NORMAL)

 ゲームテンポは悪くなるものの、これがなかったら不必要にピリピリしたゲームになって投げ出していました。結構ちょっとしたことで警戒されるので、この仕様でちょうどいい按配でした。


【気になった点】


△オンライン前提

 オフラインでも遊べますが、それだと「チャレンジ」が達成できずマスターレベルが上がらないので非効率です。コントラクトモードならともかく、それ以外は基本的にオフラインでも成立するゲーム内容だと思うので、ゲーム全体がオンライン前提なのはちょっと不便を感じました。


△あんまり惹かれないストーリー

 先が気になるかというと特にそうでもなかったです。淡々とした雰囲気がゲームに合っているといえばそうなのですが……


△やや理不尽

 ちゃんと周囲を確認してから不審行動を始めたはずなのに、そのタイミングに限って見つかったりということが多いように感じます。警備員の巡回ルートを確かめて、遠くに行ったのを確認してから行動したら、なぜか後ろにいて警戒されたみたいなことがそこそこの頻度であり、ちょっと面倒です。
 そうでなくてもこのゲームの人物はただでさえ視力が良いので、思ったよりも遠い距離から見られて警戒されることもしばしば。

 因みにこのゲームの戦闘はほぼオマケで、銃撃戦に発展した時点で終わりみたいなものです。ターゲット以外を殺害すると大幅減点のため、必死になって銃撃戦を生き残ってクリアできても、スコアは0どころかマイナスに終わるので、やり直した方が速いです。
 この辺もちょっと極端すぎるように感じます。


△コロラドのロケーションだけパッとしない

 このロケーションは他に比べて面白みがなく、その割にターゲットが多く難易度も高めで、正直一回クリアしたらもういいかな、と感じてしまいました。


【まとめ】


 楽しめました。しかしそれは暗殺というよりも、興味深いロケーションとか優れたローカライズによる会話とかを楽しめたという意味で、暗殺それ自体はこまめなセーブ&ロードの繰り返ししか印象に残っていません。
 前作アブソリューションに引き続いて今回も、自分ではこのシリーズのポテンシャルを引き出せなかったという感想です。
 また、自由度が売りなわりには警戒が厳しすぎて、このゲームの自由は上級者にしか許されていないのかもという思いにも駆られました。

 そもそも「サンドボックス型」というのが自分に向いていないのでしょう。
何と言いますか、何でもありだと自分の発想の貧困さと常に向き合い続けることになって、あんまりゲーム自体を楽しめないですね。
 
 当然、それを乗り越えた先にサンドボックスの面白さがあるのでしょうが、それよりは面白いストーリーとか良いBGMとか飽きないシステムとか魅力的なキャラクターとか、既に提示されたものを追っているほうが自分に合っているのだと思います。
 ステージ制で気楽に出来るところは好みでした。

 という訳で、各ロケーションのアプローチをある程度こなして終わりにしました。
コントラクトモードやエスカレーションなど、メイン以外にも数多くの要素があるのですが、もう満足です。

 既に続編も発売されているものの、そちらには本作のような聞きごたえのある吹き替えもなく、システムも本作とほぼ同じなので、特に食指は伸びませんでした。






 

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