ゲームクリア感想142_聖剣伝説3 トライアルズオブマナ(Switch版)
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前作(聖剣伝説2SoM)の記事はこちら
※今読み直して当時の落胆ぶりを思い出しました。
>仮に聖剣伝説3がリメイクされても、恐らくサウンドトラックだけ購入して終わりにする可能性が高いです。よほど改善されているならともかく……
前作、聖剣伝説2シークレットオブマナの感想記事をこの様な言葉で結びましたが、結果として、本作の予約開始日にコレクターズ・エディション(約20,000円)を即予約しました。
前作が悲惨な出来だったのに、なぜそこまでの期待を? という話ですが、公式サイトなどをご覧になっていただければ分かる通り、流石のスクエニも酷評が効いたのか、それとも当初から3リメイクに予算を集中する予定だったのか、明らかに出来が違うことに目を引かれたからです。
そして同時に察しました。
この3リメイクでも失敗すれば、もう聖剣伝説は終わりだろうと。
しかし配信された体験版で、その不安が払拭され、かわりに「ひょっとするとこれは前作の反省が完全に活かされているのでは? 」といく期待に変化しました。
そしてDL版サウンドトラックも購入し、いざ製品版へ。
見事でした。
「よほど改善」されていました。
なぜ2リメイクからこの調子でやってくれなかったのかとは思うものの、2の予算をケチったから待望の3リメイクをここまでのものに仕上げられたという側面もあると思うので、今はとりあえずシリーズが踏みとどまれたことへの嬉しさに浸ろうと思います。
バージョン 1.0.1
難易度 NORMAL
クリア時間 56:31:00
一周目パーティはケヴィン・デュラン・アンジェラでした。
まずリアルタイムアクションになったことで、アンジェラが救済されました。
序盤こそ強さをそこまで実感できないですが、終盤になると凄まじい火力で敵を屠ります。
動かして楽しい魔法使いキャラがいるアクションRPGは好印象です(ドラッグオンドラグーン2とか)。
そして、原作から強かったケヴィンやデュランも相変わらず強く、強い上に動かしていて楽しいという盛り盛りなキャラクターになりました。
戦闘システム自体にそこまで目新しさはないものの、そのぶんシンプルでとっつきやすいです。
あと新要素の「バトルボーナス」の存在が大きいです。
「10秒以内に敵を全滅」「ノーダメージ撃破」で入手EXP上昇みたいなよくあるやつです。
これがダレ防止にかなり貢献しており、ザコ相手でもとりあえずノーダメージを狙ってみるか…という心構えで動くので、いい刺激になります。レベル自体はサクサク上がるので、失敗したところでどうということはなく、成功すればボーナスという加点方式なので気軽に遊べます。
原作だと風の回廊初来訪時には、稼ぎでもしていない限りクラスチェンジの必要レベルに達していないことの方が多かったと思います。
ところが本作では、よほど逃げ回っていない限りは初来訪時にそのままスムーズにクラスチェンジ可能となっています。
原作だとそもそもレベルが上がりにくかったのに対して、サクサクレベルが上がるようになっています。サボテン君の入手数に応じたボーナスや、入手EXPアップのアイテムなどもあるので、終盤までサクサクレベルアップするのが気持ちいいです。
また、原作だと終盤は金欠に悩まされていた記憶があるのですが、ルク(通貨)もモリモリ手に入ります。終盤は使いみちに困るほど有り余ります。
・オートセーブ採用
・一部移動の簡略化(マシンゴーレム撃破後マイアに直行など)
・裏ボスはいずれもその地点までのショートカットあり
・任意の回復アイテム・魔法で「ほぼ全回復」「全回復」がボタン一発で可能
(非戦闘時)
などなど、基本的に作業なだけの反復の負担を減らせる設計になっています、
驚くことに、仲間キャラクターのオープニングを加入時に遊ぶがどうか選べます。
つまり、わざわざ6回ニューゲームしなくても各キャラのオープニングを遊べてしまうのです。
これは本当に感心しました。
また「強くてニューゲーム」の充実ぶりが凄い。
クラス以外の大半の要素(レベル・所持アイテム・アビリティ・植木鉢レベル・マップ開拓状況・サボテン君発見数・プレイ時間など)がごっそり引き継がれるので、実質一周目の続きみたいなものです。
しかも、入手EXP300%UPのアビリティまで手に入るので、レベルが一周目よりもモリモリ上昇して快適です。こんなに至れり尽くせりでいいのかと思うくらい。
ゲームの二周目に手を付けるのはプレイヤー全体のごく僅か、という話を読んだことがあります。しかし本作は、何が何でも全ルート周回させてやる! という製作者の気合すら感じます。
アレンジが激しめで賛否両論だった2リメイクに対し、原作準拠の正統派アレンジです。
個人的にはもっと冒険して頂いても全然構わないのですが、これはこれで大好きです。
ゲームのリメイクは、大抵BGMの好き嫌いがはっきり分かれることが思います。しかし本作の場合は心配無用で、オリジナル版BGMに切り替える必要も感じないくらい原作準拠。むしろもっとアレンジを変えて欲しいくらい。
聖剣伝説3のオリジナルサントラを聴きながら眠りにつく日々を過ごしていた思い出……
これも美点ですね。
追加の会話で各キャラクターのイメージが崩れることもありませんでしたし、
終盤の追加シナリオも、蛇足どころか原作であって欲しかったシチュエーションを遊べたりして、かなり満足でした。
システム面に関してはこれまで挙げてきた通りです。
新要素、サボテン君集めもボーナスの効果がかなり有用かつ、そこまで探しにくいわけでもないので、楽しく集められました。サボテン君自体もかわいいし。
SFCドット絵の極地みたいな原作が3D化して、あの独特の雰囲気が失われてしまうのでは…という懸念も少しありましたが、実際遊ぶと気になりませんでした。
小綺麗になりすぎていて独特の雰囲気が薄れたかな、というステージもありますが、聖剣伝説3を3D化したらどうなるか、というイメージそのままでした。
町並みや城などは、建物などが(恐らく)実寸大になったのと、小物類の作り込みによって背景に説得力が増したと思います。というか、ここまで作り込むとは想像していなかったので、原作からの進化のインパクトも大きかったです。
体験版をやって、原作からの進化ぶりに衝撃を受けてそのまま予約した人も多そうです。
あとキャラクターモデリングも素晴らしいです。フォトリアル路線ではなくあくまで原作の柔らかさを残したイメージで、それでいてアニメチックな不自然さもそこまで強くなく、中間のベストなところへ着地した感じです。万人受けしそう。
リースやアンジェラが話題ですが、男3人の筋肉のつきかたなんかも、THE・ファンタジー戦士!という趣があって良いですね。
個人的にこれがかなり大きかったです。先へ進める引力になるストーリーはほぼ変化がないので、3D化したステージを探索するのが良い刺激になりました。
点在している小銭集め、宝箱集め、サボテン君探しなど、収集要素がそれなりにあるので、地味ながら退屈しない良い要素でした。
声がつくと、今となっては違和感が生じます。
原作当時のまま、フルボイスにすることを前提にしていないテキストなので非常に説明口調、かつ当時から世界観に相応しいとは思えない横文字(「殺人マシーン」とか「トランスフォーム」とか)がそのままなので、なんというか背筋がムズムズします。
これはもうFF7リメイクのようにとは言わないまでも、今に相応しいテキストに書き直したほうが良かったと思います。下手に変えるとそれだけで批判されるし、労力に見合わないので見送られたのでしょうが……
3D化の弊害と言うべきか、SFC版でも狭さを感じたワールドマップが更に狭くなってしまっており、世界観を感じにくくなったのがやや残念でした。
あまり追尾してくれないので、しょっちゅう敵を見逃します。
ぐるぐる回るのも良くないですが、もうちょっと向こうで動いてくれると躍動感があってかつ便利かなと思いました。
画面がカクついてすわフリーズか!? とヒヤリとすることがそこそこあり、あまり連打や全力ダッシュしないように注意しています。
強制終了も2回ありました。セーブポイントも多くオートセーブもあるので、そこまでショックは大きくないのが救いです。
聖剣伝説、復活です。
といっても原作の魅力ありきのリメイクなので、真の復活は本作が売れたら出るかもとされている新作が成功してからでしょうが……
とにかく、ファイアーエムブレム覚醒を彷彿とさせる復活劇でした。
原作のテイストを残しつつ、現代の遊びやすさを導入して味を整えた良作です。
この「ライト層でも楽しめる遊びやすさを備えたほんのり懐かしいアクションRPG」のフォーマットを本作一作限りで終えるのはかなり惜しいので、基本システムそのままの新作が欲しいところです。
前作で聖剣伝説シリーズにをつけた方も、最後のチャンスだと思って手を出してみることをオススメします。前作のことは一旦忘れてください。
それでは二周目(難易度HARD)の続きに入ります。
こんなにハマるならトロフィー収集も兼ねてPS4版でも良かったかな。
前作(聖剣伝説2SoM)の記事はこちら
※今読み直して当時の落胆ぶりを思い出しました。
>仮に聖剣伝説3がリメイクされても、恐らくサウンドトラックだけ購入して終わりにする可能性が高いです。よほど改善されているならともかく……
前作、聖剣伝説2シークレットオブマナの感想記事をこの様な言葉で結びましたが、結果として、本作の予約開始日にコレクターズ・エディション(約20,000円)を即予約しました。
前作が悲惨な出来だったのに、なぜそこまでの期待を? という話ですが、公式サイトなどをご覧になっていただければ分かる通り、流石のスクエニも酷評が効いたのか、それとも当初から3リメイクに予算を集中する予定だったのか、明らかに出来が違うことに目を引かれたからです。
そして同時に察しました。
この3リメイクでも失敗すれば、もう聖剣伝説は終わりだろうと。
しかし配信された体験版で、その不安が払拭され、かわりに「ひょっとするとこれは前作の反省が完全に活かされているのでは? 」といく期待に変化しました。
そしてDL版サウンドトラックも購入し、いざ製品版へ。
見事でした。
「よほど改善」されていました。
なぜ2リメイクからこの調子でやってくれなかったのかとは思うものの、2の予算をケチったから待望の3リメイクをここまでのものに仕上げられたという側面もあると思うので、今はとりあえずシリーズが踏みとどまれたことへの嬉しさに浸ろうと思います。
バージョン 1.0.1
難易度 NORMAL
クリア時間 56:31:00
一周目パーティはケヴィン・デュラン・アンジェラでした。
【良かった点】
◎進化した戦闘・育成システム
まずリアルタイムアクションになったことで、アンジェラが救済されました。
序盤こそ強さをそこまで実感できないですが、終盤になると凄まじい火力で敵を屠ります。
動かして楽しい魔法使いキャラがいるアクションRPGは好印象です(ドラッグオンドラグーン2とか)。
そして、原作から強かったケヴィンやデュランも相変わらず強く、強い上に動かしていて楽しいという盛り盛りなキャラクターになりました。
戦闘システム自体にそこまで目新しさはないものの、そのぶんシンプルでとっつきやすいです。
あと新要素の「バトルボーナス」の存在が大きいです。
「10秒以内に敵を全滅」「ノーダメージ撃破」で入手EXP上昇みたいなよくあるやつです。
これがダレ防止にかなり貢献しており、ザコ相手でもとりあえずノーダメージを狙ってみるか…という心構えで動くので、いい刺激になります。レベル自体はサクサク上がるので、失敗したところでどうということはなく、成功すればボーナスという加点方式なので気軽に遊べます。
◎獲得経験値・ルク調整
原作だと風の回廊初来訪時には、稼ぎでもしていない限りクラスチェンジの必要レベルに達していないことの方が多かったと思います。
ところが本作では、よほど逃げ回っていない限りは初来訪時にそのままスムーズにクラスチェンジ可能となっています。
原作だとそもそもレベルが上がりにくかったのに対して、サクサクレベルが上がるようになっています。サボテン君の入手数に応じたボーナスや、入手EXPアップのアイテムなどもあるので、終盤までサクサクレベルアップするのが気持ちいいです。
また、原作だと終盤は金欠に悩まされていた記憶があるのですが、ルク(通貨)もモリモリ手に入ります。終盤は使いみちに困るほど有り余ります。
◎遊びやすくなった様々な配慮
・オートセーブ採用
・一部移動の簡略化(マシンゴーレム撃破後マイアに直行など)
・裏ボスはいずれもその地点までのショートカットあり
・任意の回復アイテム・魔法で「ほぼ全回復」「全回復」がボタン一発で可能
(非戦闘時)
などなど、基本的に作業なだけの反復の負担を減らせる設計になっています、
◎比類なき周回しやすさ
驚くことに、仲間キャラクターのオープニングを加入時に遊ぶがどうか選べます。
つまり、わざわざ6回ニューゲームしなくても各キャラのオープニングを遊べてしまうのです。
これは本当に感心しました。
また「強くてニューゲーム」の充実ぶりが凄い。
クラス以外の大半の要素(レベル・所持アイテム・アビリティ・植木鉢レベル・マップ開拓状況・サボテン君発見数・プレイ時間など)がごっそり引き継がれるので、実質一周目の続きみたいなものです。
しかも、入手EXP300%UPのアビリティまで手に入るので、レベルが一周目よりもモリモリ上昇して快適です。こんなに至れり尽くせりでいいのかと思うくらい。
ゲームの二周目に手を付けるのはプレイヤー全体のごく僅か、という話を読んだことがあります。しかし本作は、何が何でも全ルート周回させてやる! という製作者の気合すら感じます。
◎正統派BGMアレンジ
アレンジが激しめで賛否両論だった2リメイクに対し、原作準拠の正統派アレンジです。
個人的にはもっと冒険して頂いても全然構わないのですが、これはこれで大好きです。
ゲームのリメイクは、大抵BGMの好き嫌いがはっきり分かれることが思います。しかし本作の場合は心配無用で、オリジナル版BGMに切り替える必要も感じないくらい原作準拠。むしろもっとアレンジを変えて欲しいくらい。
聖剣伝説3のオリジナルサントラを聴きながら眠りにつく日々を過ごしていた思い出……
◎追加要素に外れがない
これも美点ですね。
追加の会話で各キャラクターのイメージが崩れることもありませんでしたし、
終盤の追加シナリオも、蛇足どころか原作であって欲しかったシチュエーションを遊べたりして、かなり満足でした。
システム面に関してはこれまで挙げてきた通りです。
新要素、サボテン君集めもボーナスの効果がかなり有用かつ、そこまで探しにくいわけでもないので、楽しく集められました。サボテン君自体もかわいいし。
◎原作テイストを損なわないグラフィック・3Dキャラクター
SFCドット絵の極地みたいな原作が3D化して、あの独特の雰囲気が失われてしまうのでは…という懸念も少しありましたが、実際遊ぶと気になりませんでした。
小綺麗になりすぎていて独特の雰囲気が薄れたかな、というステージもありますが、聖剣伝説3を3D化したらどうなるか、というイメージそのままでした。
町並みや城などは、建物などが(恐らく)実寸大になったのと、小物類の作り込みによって背景に説得力が増したと思います。というか、ここまで作り込むとは想像していなかったので、原作からの進化のインパクトも大きかったです。
体験版をやって、原作からの進化ぶりに衝撃を受けてそのまま予約した人も多そうです。
あとキャラクターモデリングも素晴らしいです。フォトリアル路線ではなくあくまで原作の柔らかさを残したイメージで、それでいてアニメチックな不自然さもそこまで強くなく、中間のベストなところへ着地した感じです。万人受けしそう。
リースやアンジェラが話題ですが、男3人の筋肉のつきかたなんかも、THE・ファンタジー戦士!という趣があって良いですね。
◎探索要素が増した
個人的にこれがかなり大きかったです。先へ進める引力になるストーリーはほぼ変化がないので、3D化したステージを探索するのが良い刺激になりました。
点在している小銭集め、宝箱集め、サボテン君探しなど、収集要素がそれなりにあるので、地味ながら退屈しない良い要素でした。
【気になった点】
△テキストが原作そのまま
声がつくと、今となっては違和感が生じます。
原作当時のまま、フルボイスにすることを前提にしていないテキストなので非常に説明口調、かつ当時から世界観に相応しいとは思えない横文字(「殺人マシーン」とか「トランスフォーム」とか)がそのままなので、なんというか背筋がムズムズします。
これはもうFF7リメイクのようにとは言わないまでも、今に相応しいテキストに書き直したほうが良かったと思います。下手に変えるとそれだけで批判されるし、労力に見合わないので見送られたのでしょうが……
△狭くなったワールドマップ
3D化の弊害と言うべきか、SFC版でも狭さを感じたワールドマップが更に狭くなってしまっており、世界観を感じにくくなったのがやや残念でした。
△バトルカメラワーク
あまり追尾してくれないので、しょっちゅう敵を見逃します。
ぐるぐる回るのも良くないですが、もうちょっと向こうで動いてくれると躍動感があってかつ便利かなと思いました。
△やや動作面が怪しい時がある
画面がカクついてすわフリーズか!? とヒヤリとすることがそこそこあり、あまり連打や全力ダッシュしないように注意しています。
強制終了も2回ありました。セーブポイントも多くオートセーブもあるので、そこまでショックは大きくないのが救いです。
【まとめ】
聖剣伝説、復活です。
といっても原作の魅力ありきのリメイクなので、真の復活は本作が売れたら出るかもとされている新作が成功してからでしょうが……
とにかく、ファイアーエムブレム覚醒を彷彿とさせる復活劇でした。
原作のテイストを残しつつ、現代の遊びやすさを導入して味を整えた良作です。
この「ライト層でも楽しめる遊びやすさを備えたほんのり懐かしいアクションRPG」のフォーマットを本作一作限りで終えるのはかなり惜しいので、基本システムそのままの新作が欲しいところです。
前作で聖剣伝説シリーズにをつけた方も、最後のチャンスだと思って手を出してみることをオススメします。前作のことは一旦忘れてください。
それでは二周目(難易度HARD)の続きに入ります。
こんなにハマるならトロフィー収集も兼ねてPS4版でも良かったかな。
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