ゲームクリア感想131_Return of the Obra Dinn(PS4版)

公式サイトはこちら(Switch版ですが)


 突然ですが、本ブログ感想記事のここの箇所の文章って3パターンくらいしか無いですよね。


1.楽しみにしていたので発売日に買った
2.気になっていたが発売時期には遊べなかったので、安売りをきっかけに買った
3.(前評判含む)ネットの高評価に惹かれて買った


 毎回こんな感じの出だしで、我ながらパターンの少なさに悩んでいます。
というわけで、今回は上で言うところの三番目になります。世界観もゲームシステムも好みだったので早速クリアしました。


バージョン 1.01
クリア時間 計13時間56分(初周9時間51分、トロフィー取得用二周目4時間5分)
トロフィー取得率 100%(プラチナ)


【良かった点】

◎クリアデータから最終操作パートに戻れる


 心の底から感嘆の声が漏れました。これが出来ず、一度クリアデータを作ってしまったが最後、見逃した要素は別データに確保しておいたデータや周回で体験するしかないゲームが大多数の中、本当に助かりました。ボリュームとしては10時間前後なので、こうした親切仕様がなくてもギリギリ許容範囲ではあるものの、それでも本作の制作陣はしっかり用意してくれたわけで、その誠実さに心が震えました(大袈裟か? )

 ちなみにクリア済セーブデータの「GO BACK」から戻れます。
これによりプラチナトロフィー取得や真エンド到達へのモチベーションが急上昇しました。


◎程よいボリューム・難易度


 ボリュームは短すぎず長すぎず、ダレる前にエンディングを迎えられました。実に絶妙で丁寧なペース配分でした。
 また、難易度は理不尽すぎず簡易すぎずで、完全に推理が詰んだと思えても、手記を隅々までよく読み返したり、他の事件をよく観察してみたりするとヒントが見つかって解決する、ということが多々ありました。
 一部理不尽な推理もありますが、割と消去法でカバーできたりするので、探り方のコツを掴んでしまえば思いの外サクサク進めました。
 
 先入観やイメージが大体当たりだったりする一方で、先入観を逆手に取った引っ掛けもあったりして、なかなか手強かったです。


◯推理に集中できる環境


 推理以外のミニゲームなどは一切ないので、推理以外で詰まることはないです、
またローディングも速いので、読み込みにイライラすることもほぼなし。


◯個性と効果が絡み合う秀逸なグラフィック


 振り返ってみると、独特のグラフィック表現がひたすら効果的に作用していました。
ゲーム中はひたすら人の死ぬ瞬間を眺め続けるので、フルカラーだとなかなか気が滅入ることになっていたと想像しますが、いい感じの粗さでカバーできています、

 また、画面の粗さ故に状況判断がしづらく、推理の難易度を適度に高めています。
ここは好みの分かれる点かも知れません。


◯親切設計


 いかにも不親切そうなイメージに反してチュートリアルが充実しており、痒いところにはしっかり手が届くと思います。
 また、記憶から別の記憶をたどる際にガイドしてくれる光は、こちらが離れるとその場で待っていてくれるので、見失うことはほぼ起きないです。


◯プラチナトロフィーまで約10時間


 かなり取得しやすいので収集家にも勧められます。面倒なトロフィーはたったひとつだけで、大抵のプレイヤーはそのひとつの為に面倒な周回をする羽目になります。私もそうでした。


【気になった点】

△一部理不尽な死因特定


 「溺死」と「船外への転落」はどう違うのか(船外すなわち海なので)など、推理とは関係ない点での分かりにくさがあります。
 自分が悩まされたのは「怪物の爪」と「怪物のトゲ」の違いで、当事者が爪とトゲどちらにも取れそうな造型なので、このあたりのパートは真相究明が後回しになりました。


△周回時に際立つじれったい進行


 初回の会話やチュートリアルがスキップできなかったり、記憶から別の記憶を辿る際のガイドをしてくれる光の動きがやたらゆっくりだったり、二周目になるとそのあたりの時間ロスが一気に際立ってきます。
 特に本作の周回は、基本的に不毛な内容のトロフィーを一つ取得するためだけにやるものなので、より虚しさが大きいです。

【まとめ】

予想以上に楽しめました。高評価なだけあって、インディーズゲームの中では相当におすすめな部類です、パッと見のビジュアルイメージから、高難易度で硬派な印象を持たれがちですが、ゲームプレイの快適さはしっかり現代的なので、必要以上の心配は無用です。
 推理に関しては、大して推理ゲームに馴染みがなく、頭も良くない私がほぼノーヒントでクリアできたので、この記事にアクセスして頂いているような方々なら一切問題ないでしょう。割と消去法で乗り切れたりします、

 注意点としては、人の死ぬ瞬間に向き合い続けるので、気が滅入りがちなところでしょうか。粗めのグラフィックが中和してくれているものの、死亡の瞬間をよく観察しているとなかなかハードなので…
 私は二周目はトロフィー取得と割り切り、気が滅入らないようにヘッドホンを外して進めていました。

 ストーリーは可もなく不可もなくというのが正直なところです。
ワクワクする設定と推理パートが肝です。いずれにせよ、ボリュームはそこそこ(10時間程度)でそれなりにやり応えがあり、それでいてプラチナトロフィーも欲しいという欲張りなプレイヤーにはおすすめです。もちろん無欲な方にもおすすめです。

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