ゲームクリア感想86:PREY(PS4版)
暗い書き出しで申し訳ありません。
開発はArkene Studiosということで、少々の不安を抱きながら購入しました。
と言うのも、私は同開発元の代表作、ディスオナードが見事に合わなくて、今作の世界観やゲーム性に魅力を感じながらも、店頭でもちょっと悩んでからレジに持っていきました。
そして、最終的にはお気に入りの一作となりました。
私がディスオナードに感じていた「自由度が高すぎる故の単調さ」みたいなものは無く、一周目はダレること無くエンディングまで到達できました。そして、トロフィーと別エンディングのため、すぐに二周目を開始し、思った以上に楽しめたゲームとなりました。
勿論不満な点もありますが……(後述)
機種:Playstation 4
クリア時間:(一周目)40時間21分 (2周目)21時間29分
※ゲーム内「キャンペーン合計時間」では(一周目)14時間8分 (二周目)4時間22分。
因みに一周目は人間の能力中心に習得、二周目はティフォンの能力のみ習得しました。
難易度:(一周目)ノーマル (二周目)イージー
トロフィー取得率:68%
【良かった点】
◎収集すればするほど有利になるゲーム性
探索厨としては非常に嬉しい仕様でした。
紙くずからハンドガンまで、ゲーム内で拾える(イベントアイテム除く)ほぼ全てのアイテムが漏れなく素材にリサイクル可能なので、無駄なアイテムというのが存在しません。
Fallout4に一番近いですが、あれをもっと簡潔に解りやすくした感じです。
リサイクルは特定の場所にある「リサイクラー」でリサイクル可能。
そうして得た素材は「分子成形機」という機械で、設計図を入手済みの各種アイテムに換えられます。
この2つは大抵近い場所に位置しているので「リサイクラー」で不用品を素材にして「分子成形機」でアイテムに換える、というのがアイテム入手の基本となります。
これをこまめに行うだけで、ゲームがグッと有利になります。
と言うのも、なんとゲーム内で「ニューロモッドの設計図」が手に入るからです。
この「ニューロモッド」はスキルを習得するために必要なアイテムで、素材さえ足りていれば、なんとこれを中盤あたりから大量生産できてしまいます!!!!!
私は、難易度ノーマルの初回プレイこそ回復アイテムや弾薬を優先して作成していたため、さほど生産しませんでしたが、2周目では難易度をイージーに下げたこと、ニューロモッドの入手場所をある程度把握していることなどが功を奏し、バンバン作って一気にスキルを覚えて強化しました。
難易度低下が危惧されるところですが、本作自体なかなか手応えのある難易度なので、私の腕では大量生産してちょうど良いくらいでした。
なので、こだわりが無ければ遠慮なく大量生産した方がストレス無く楽しめると思います。
また、アイテム生産だけでなく、メモや音声ログから部屋や金庫のパスワードの情報が得られたりするので、探索に飽きるということもありませんでした。
探索すればするだけ強くなれる、この手の3Dアドベンチャーゲームとしては大正解な仕様ですが、他社のゲームも是非参考にして欲しいと思いました。まずは同じ発売元のベセスダのゲームから……
いやぁこれは本当に良かった。こういうタイプのゲームが好きな層の探索偏重なプレイ傾向をよく理解していらっしゃる。
◎インベントリ管理の快適さ
上の項目に合わせて絶賛したいのがこれです。
インベントリやアイテム周辺はどのゲームでも軽視されがちに感じるのですが、本作はノーストレスでした。
・ボタン長押しで(近くに転がった)他のアイテムをまとめて拾える!
・自動ソートがサイズ・名前・タイプの3種類で出来て便利!
・リサイクラーに投入する際、素材アイテムをボタン長押しでまとめて投入できる!
またリサイクラー画面でもソート可能なので、インベントリ画面を小刻みに呼び出してソートし直す必要なし!
・メニュー画面を開いても再生途中の音声ログが途切れない! ログを聴きながらマップを見たりインベントリ整理が出来て効率的!
など、素晴らしく快適です。探索を売りにしている割にインベントリ管理が貧弱なゲームとは一線を画しています。
◎セーブ及び死亡後リトライの快適さ
まずオートセーブがかなり細かいので、何時間分も巻き戻されることはないです。ついでに手動セーブも「クィックセーブ」というのが別に用意されているので、手早く済みます。それに加え、敵にやられてもリトライのローディングが短めなので、イライラはかなり軽減されました。一方でエリア切り替えのローディングは長いのですが……
◎回復システム
各種回復アイテムはインベントリ画面を呼び出さずとも、△押しのメニューからボタン一つで使えます。メニューを開いている間は時間が止まるので安心。また、飲食物(少量回復)も同じ仕様ですが、何十種類もある飲食物は一元管理されるので、少量回復のためにわざわざ種類を選んで使わずとも、使用ボタンを連打するだけでサクサク飲み食いしてくれます。
◎死体運びのしやすさ
死体運びが実装されているゲームは、必ずと言っていいほど理不尽に操作が途切れて死体を捨ててしまう現象が多発するのに、どのゲームもなかなか改善されないのが長年不満でした。死体に触れたくないというのが当然の心理ですが、ちょっとの段差ですぐ手を離してしまうのはやはりストレスでした。その不満は今作で解消されました。ちょっと荒れた道を通っても死体を捨ててしまうことなく、しっかりと掴んでくれて非常に頼もしいです。
文章にしてしまうとそれだけ? という感じですが、それだけでも感動しました。
ここを改善しているゲームは初めてだったので……
◯簡易なボタン配置
他のFPSでも体験したようなオーソドックスな配置で、この手のゲームが好きな人もあんまり遊ばない人も、操作自体には早めに慣れると思います。奇を衒った操作はないので、かなり時間を空けて再開しても勘を取り戻すのが早そう。◯ゲーム性と組み合わさったストーリー
周回すると味の出る秀逸なオープニングから始まり、各端末で読めるメールやデスクの上のメモ、死体の傍に落ちている音声ログなどから情報収集して、それらをつなぎ合わせて想像するタイプの「いかにも」なゲームですが、終盤まで自分を含め誰が正しいのか解らない語り方で、常に自分の意思を試されるような話でした。自由度の高いゲーム性としっかり組み合わさっていて、違和感もありません。
世界観も良かったです。個人的には乗員区画が探索しがいがあって好きです。
【気になった点】
×エリア切り替えローディングの長さ
やはりこれでしょう。行ける所が限られている序盤はさほど気になりませんが、サブクエストと行ける場所が増えた中盤からこれに悩まされ始めます。時間にすると一分弱?
宇宙ステーションという閉鎖空間が舞台で、一エリア自体の広さはさほどでも無いのですが、作り込みがかなり細かいので、その分時間がかかるのでしょうか。
そして、クエストのToDo達成順によっては、さっき行ったばかりの所にまた舞い戻ることになって、そうなるとその移動時間はほぼローディングで占められてしまいます。仕方ないので、私は目の休憩、トイレ、水分補給、スマホアプリのスタミナ消化などに充てていましたが、出来ればゲームに集中して遊びたかったですね。
探索厨歓喜の内容ですが、下地になるマップの読み込みまでは如何ともしがたかったとして納得しています。
×二周目引き継ぎなし
同難易度限定でもいいので欲しかったです。
というのも、サブクエスト含めると意外と長丁場なので、全部一から集め直しというのはやっぱり抵抗がありました。
海外のゲームは完全コンプ最強データ! みたいなものに日本ほどこだわらないですね(ゲームによる)。
△無重力空間の操作性
酸素ボンベが途切れないだけマシです。ただ、この操作パートで詰むプレイヤー(特にFPSに不慣れな人)は確実に存在すると思うと、もうちょっと浮遊感抑えめでも良かったかなと……敵は通常重力とほぼ変わりない動きで攻撃してくるので、その意味でも厄介なパートになってしまっています。
そう言えば、何気に宇宙遊泳が出来るゲームは珍しいですね。
ステーション周辺に限られますが、アイテムや死体などもしっかり配置されていて、ちゃんと探索がいのあるマップになっています。私は熱心にやりませんでしたが……
△(日本語版のみ)一部日本語吹き替えが今ひとつ
一周目は女主人公で進めたので気付きませんでしたが、二周目を男主人公で始めた時は悪い意味で驚いてしましました。男主人公の方は声質は格好いいものの、ちょっと棒読みが過ぎると思います。
吹き替えがあるだけありがたいという気持ちを上回るレベルの棒読みで、もう少し適任がいらしたのでは?
脇役の吹き替えも上手い人と拙い人がはっきり分かれていて、贅沢は言えないけどモヤモヤが残りました。
△動作面の不安定さ(PS4・ディスク版)
二周する間に4回強制終了しました。エリアローディングの際にフリーズというあるあるパターンが多かったです。また、何気なく本体を触ってみたら滅茶苦茶発熱していたので、動作面で配慮が必要かもしれません。特にこの季節(6月後半)は……
【まとめ】
アイテムは全て懐に入れないと気が済まない探索家向け。思った以上の良作でした。この手のジャンルに付きものな不満も可能な限り改善されており、ゲームのイメージに反して遊びやすくなっています。難易度こそ高めですが、トロフィーなどのデメリットは皆無なので、堂々とイージーで進めるのがオススメです。
ボリュームが多かったり、ヒントが少な目だったりするのもあって、予想より長く楽しめること請け合い。
ほぼ全ての戦闘は避けられ、オートセーブも細かいので地形ハマりもさほど怖くなく、これといった詰みポイントは無いです。無重力空間くらいでしょうか。
(6/19追記)因みにホラー要素もありますが、擬態して脅かしてくる敵は事前に見分ける手段があり、敵のデザインも怖いというより寧ろ格好いい部類なので、個人的にはそこまで心配しなくてもいいかなと思います。あとは人気のない雰囲気に慣れさえすれば……
2017年も半分終わろうとしている現時点では、TPSならホライゾンゼロドーン、FPSなら本作といった所です。両作ともこれまでから一段階進化した、ひたすら快適なゲーム性で、これに慣れたら以前のゲームが辛くなってしまいそうですね。
実はPS Storeのセール(2017年6月18日まで。リンク先重いです)でまた3本ほどソフトを増やしてしまったので、引き続きPS4を酷使することになりそうです。
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