ゲームクリア感想344_異夢迷都:果てなき螺旋(PS5版)

公式サイト(PS Store) 


PS2~3時代のJRPGのスピリッツを継承した中華圏産JRPG。開発はArrowiz、発売はPrime Matter。もう三年近く積んでいたので、比較的余裕のあるうちにクリアしようと一念発起しました。あまりに積んでいたため、正直なところそもそもの購入動機が定かでありません。世界観に惹かれて何となくだったような気がします。とにかくそんな温度感で他のゲームと並行して着手したところ、クリアまで2ヶ月もかけてしまいました。


【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 1.0
クリア時間 77:16:14(プラチナトロフィー取得まで。本編クリアは約64時間)
トロフィー取得率 100%(プラチナ)

【良かった点】


◎含蓄あるテキスト


中華圏のゲームはテキストのクオリティが高い印象があり、本作もその例に漏れずといった感じです。いかにもゲームらしい話し言葉の会話でもさほど稚拙さはなく、テキストオンリーの各種説明文などは日本製JRPG(重言ですがあえて使っています)のフワフワした薄味テキストに慣れているとしっかりし過ぎて感動します。

正直、本作はゲームとしてもRPGとしても目新しさは希薄なのですが、テキストの良さが引力になりました。
日本語訳がやや不安定なところを踏まえても。


◯PS2世代JRPGを彷彿とさせる雰囲気


良くも悪くもPS2世代のRPGを思い起こさせる懐かしいターン制RPGとなっています。パッと見だとペルソナや真・女神転生あたりを彷彿とさせますが、個人的にはシャドウハーツの雰囲気を強く継承していると思います。仲間キャラクターの加入順も、アウトローな主人公、ヒロイン格、最年長、美女、エキセントリックな大人(?)、少年と、シャドウハーツ初代を見出せなくもない気がします。
 
戦闘の特徴としては、HPが共有されていることでしょうか。各キャラクターにおけるスキルごとのリキャストを念頭に置きつつ、可能な限り被ダメージを減らすことで共有HPを管理してゆく感じです。それゆえに蘇生スキルが存在しないのですが、これはこれで作戦に集中できて悪くないです。

CO:EP33あたりにリスペクトが顕著なように、このジャンルは今や新作というよりもアーキタイプ、あるいは再評価の対象という側面が強くなっていますが、本作もそうした流れを汲んでいるかもと思いました(CO:EP33よりこちらの方が発売順は先ですが)。

この質感がシャドウハーツ感ある

ダンジョンはペルソナ感。軽いパズルあり


◯日本語ローカライズ


吹替まである贅沢仕様。もっともセリフやテキストの日本語に違和感や誤字脱字があり、丁寧とは言い難いのですがあるだけ貴重なので。


【気になった点】


ボタンレスポンスの悪さ・操作体系


PS2時代のゲームかと思うくらいボタンのレスポンスが悪く、今のゲームに順応していると辛いです。万事において反応が遅く、もっさりを通り越して固まったのかと勘違いすることも。どことかではなく全ての操作に重力がかかっているような感触です。
一応、会話と戦闘は設定から高速化可能で、戦闘に至っては更に演出スキップも可能です(そのスキップボタンの反応が悪いのですが)。

また、ボタン配置も画面によってコロコロ変わって操作そのものが快適ではないです。戦闘終了後のリザルト画面の終了とか、戦闘で一番使う通常スキルのボタン(PSなら✗ボタン)連打が好ましいと思うのですが、大して使わない◯ボタンがアサインされています。


単調かつ遅延行為が顕著なゲームプレイ


序章〜第一章の段階であまりの単調さと無駄な小移動を挟む遅延行為に挫折しかけました。次の二章からストーリー・やりごたえともに多少マシになってくるのですが、とにかく来た道を即戻るような無益なお使いが多くて……

加えて、マシになるとはいっても終盤までほぼやることは変わらず、常に同じ調子です。メインを進めつつ、薄味なサブクエストや単調なダンジョン探索を繰り返すことになります。小移動と小会話と小攻略の繰り返しでメリハリがありません。それでいてゲームプレイがかなり長い。

装備(全9マスのパネルを繋げて有利なパーティー効果を出す要素。武器とは異なる)もあまり機能していなかったと思います。色々な種類がありますが、結局会心率と会心ダメージを上げる「クリティカルギャンブラー」で固定でした。終盤の敵は会心でも出さないと固くて削れないので、それ以外を使う意味が薄いためです。そして、この装備画面のUIもRPG至上類を見ない劣悪さで、そもそも装備を弄りたくないです。

PS2時代のJRPGに思い入れがなかったら挫折していたと思います。一応、サブクエストの中にも多少マシなもの(キャラクタークエストとか)はあるのと、ひとつひとつが短いのでなんとかこなせた感じ。


マインドブレイク


メイン・サブ双方のクエストで登場するカードゲームのミニゲームです。まず仲間キャラクターごとに用意されているデッキを選択して(内容の変更は不可)、毎ターン配られる手札を活用して相手のゲージを0にすれば勝利というのが基本ルールです。

なのですが、文字は小さいし操作のレスポンスは悪いしボタン配置は直感的ではないしで、正直このパートは辛かったです。幸いなことに3回負ければスキップできるので強制ではないのが救い。プレイがうまく運んだ時だけ面白いです。ルールも細かく作り込まれていますが、よくわからなかったのでほぼカウンターデッキで通していました(火力は出せないがカウンターなら相手のゲージにダイレクトアタックできるので)。


△ストーリーライン


テキストの質は良いしストーリーで語られる問題意識もなんとなくはわかるのですが、正直、仲間全員加入したあたりがピークだったように感じます。中盤から中盤過ぎまで少し盛り上がりがあったものの、終盤は序盤のようなダレが復活してしまい、ラスボスの段階ではすでに消化試合でした。真ラスボスからエンディングにかけてはもう話の意味がわからず、綺麗なYIIKという趣すらありました。ラストは詩的にキメたり意味深い展開を繰り広げるよりも、音楽・戦闘・テキストあらゆる面で佳境感を出して燃え尽きるように終わるくらいが(個人的には)思い出深い体験になると考えているので、真エンディングがああいう形で終わってしまったのは残念でした。

ちなみにDLCに関しては、特に目新しいこともない内容ですが話としてはコンパクトにまとまっていました。もっともマインドブレイクがメインになっているので別の意味で辛かったですが……


【まとめ】

おすすめはしないです。人生の貴重な60〜70時間を割くほどの体験はありません。昔のJRPGファン向けな雰囲気もありますが、仮に復古調だとしても最新の手触りで作られた作品も出ているなか、手触りも往年寄りでストーリーもそこまで惹かれるものではないとなったら、ちょっと時間を割くのが惜しいと感じてしまうかなと。曲やUI、キャラクターなどもとりわけ良いという感じでもないので。

個人的には、とにかく面白くなるのが遅いと思います。二章あたりからようやくゲームを掴めて、三章中盤あたりで慣れてきました。ただそこまで辿り着くのには、要領を得ないストーリーと新鮮味の薄いコマンドバトル、薄いBGM、扱いにくいUIなどに順応しなければならずという状態。時間が有り余っているならともかく、そうでなければ得られるものが少ないと思います。

不満を抱えつつも結構遊んだ


悪い所ばかりでもなく、序盤は単調な戦闘も少しづつやりごたえが出てくるし(戦闘バランスも悪くないと思う)、テキストの質も高めな方だし、戦闘もマインドブレイクも楽しいときは楽しいので、まぁ慣れてしまえば、という感じです。実際にゲーム開始から終了まで常に不満を抱えつつもDLCまでやりこんでしまいました。ただそれを踏まえても、他にやるべきゲームはあるというのが率直な感想です。


言うのが遅い! もうプレイを始めてしまったのだが! という方向けにいくつかトロフィー取得の注意点を備忘録として貼っておきます。

トロフィー:死の循環

バッドエンド到来で取得。ストーリーがそれっぽい展開になったらセーブを分けて、特定の場所に3回来訪します。メイン目標が2つ提示されるのでわかりやすいと思います。

トロフィー:伝説の主人公

オレンジ色の武器(最高品質)をDLC追加キャラ除く仲間6名12種類ぶん獲得で取得。トロフィー説明の「12個手に入れる」は誤訳です。1キャラ2種類の武器種があるので、それを最低1個ずつ揃えます。これが一番時間がかかると思います。

オレンジ色の武器は中盤過ぎあたりのランダム巣窟からポツポツ出始めるので、面倒で単調でもランダム巣窟を毎回こなしていくのが近道です。
個人的には、ランダム巣窟の9-4を回るのが効率良かったです。どう言うわけか最高難易度の鏡影巣窟は逆に武器が出にくく、また敵も強いので無理して回る必要はないかと思います(恐らく「裂け目の欠片」が入手テーブルにないと武器が出にくい? )。

ランダム巣窟で集めきれなかった分は、ゲーム中盤で解放される無量域(やりこみモード)のアイテム交換で入手するか、いっそ初めからこちらに切り替えても構いません。こっちのほうが目当てを指名で交換できるので効率良いかも。バフも強力かつワン戦闘ワンステージという短い区切りなので、若干の動作の重さを許容すればこちらをやりこむのもありです。

最高難易度スペシャリスト一周で3万ポイントくらい溜まるので、これを×4か5で全種集まる


トロフィー:ショッピングマニア

ショップでアイテムを50回購入すると取得できます。購入回数なのでまとめ買いは一回しかカウントされません。またアイテムを指定しているので、武器や装備は対象外です。
まずセーブを分け、買い物画面を閉じて入手のガイダンスが表示されたらまた買い物する、を繰り返して、トロフィー取得したら元のセーブに戻る、だと金も無駄にならないです。


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