ゲームクリア感想110_Narcosis(ナルコーシス) PS4版
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丸々一ヶ月を費やした超大作をクリア後はデザートのような小作品で一息つこうと思い、まるでその需要を見計らったかのようなタイミングで配信された本作に手を出しました。
久しぶりにホラーゲームをしたかったのもあります。
バージョン アップデートなし
難易度 設定なし
クリア時間 約5時間
トロフィー取得率 15%
突然大きい物音で驚かせたりする演出はほとんどなく、静かにじわじわと不安や焦燥を煽ってきます。こういう「扉を開けるのが怖い」タイプのホラーゲームは好きです。
秀逸だと思ったのが、死体や危険生物に近づいたり、ホラー演出に巻き込まれたりすると
主人公の呼吸が荒くなって「O2摂取量 高」と表示され、実際にO2(酸素)残量が激しい勢いで減少してゆくシステムです。
本作の主人公は特殊な潜水スーツを着用しており、メニュー画面を開いているとき以外は常にO2残量がリアルタイムで目減りしていくので、恐怖が演出にとどまらずゲームプレイにちゃんとリンクしているのは素晴らしいと思いました。
一度入手したアイテムはリスポーン後も入手済になっていたり、チャプターごとに入手可能なアイテムが一覧で見られたり(クリア後のみ?)と、短いプレイ時間に反してなかなか親切設計です。
常にタイムリミットがあるゲームなので、下手に探索要素を強化せずに、ほぼ一本道の中にゲームプレイを濃縮したのは良かったです。
そうは言っても迷子になりやすいのですが(後述)
勘の良いプレイヤーならオチの可能性に気が付きそうですが、私は考えもしなかったので、エンディングは普通に感心しました。その後のスタッフロールの演出も切ないです。
ホラー演出としてあえて操作に制限をかける、というのはホラーゲームによくある措置ですが、これはちょっと度を過ぎて悪いです。開始5分で止めてしまう人がいても責められません。
何が悪いというと全体的に悪いのですが、一番は移動、特に足下を見られないということ。
真っ暗な海底で足下を見られないため、ご想像どおり落下死が頻発します。足下を見られないのがホラー演出として効果的かというとそうでもないと感じましたし、単にストレスでした。
照明弾もありますが入手数に限りがある上、少し離れると自然消滅してしまいます。ゲーム内オプションやモニタの設定を変えるのが対策になります。
あと、ナイフで一部の危険生物を攻撃できるのですが、離れていても当たらないし、近すぎても何故か攻撃自体が発動しないので、タイミングが難しいです。先制攻撃を当てようと試行錯誤している間に酸素残量は容赦なく減っていくので、スラスターですり抜けて無視するのが一番です。
私はもうナイフ攻撃自体を諦め、すり抜けできそうにない時は敵にわざと巻き付かれて緊急回避で追い払っていました。
攻撃されるとO2残量がごっそり減ってしまうのを覚悟でしたが、O2ボンベ自体はわりかし手に入るので何とかなりました。
これは間違いなく詰むプレイヤーが出ると思います。単純に迷子になるか、探索に耐えられない劣悪な操作性に音を上げるかで。
海底施設内はマシですが、海底移動パートが酷い。ただでさえ暗い海底はどこを向いても似たような地形で、強調表示などもないのでかなり混乱します。
更に、亀の歩みのような歩き速度・見えない足下・スラスターを使えばマンガのような落下死・落下死多発地点で照明弾を撃てば照明弾も落下・ギチギチ音を立てながら追ってくる即死攻撃使いの甲殻類・どついてくる深海生物・そうこうしているうちに減るO2残量と、悪条件がミルフィーユのごとく重なってきます。
私は二度ほど迷子の果てにO2切れで死に、この悪条件をもう一度味わうということが非常に億劫に感じられて、一気に萎えてしまいました。
「よそ見せず、前を向いて一番明るい道を行く」
「素直にいかにもな地形を進む。脇道に行くだけ損」
「緑の人が出たら後を追う」
などを気をつければ多少マシになります。
私がやった限りでは、多少迷っても何とかO2確保は間に合うバランスになっていると感じましたが、最後の海底移動チャプターはかなり不親切なので、何度かやり直す覚悟が必要だと思います。
微妙にロード時間が長かったり、場合によってはリスポーンがやや遠かったりして、このゲーム規模ならギリギリ許容範囲に収まるものの、最後まで気になりました。
ヘッドフォンを装着しているのが耐えられなかったので、オプションから音量を100→50に半分下げました。こうやって設定を変えればいいだけの話なのですが……
素人目にもぎこちなく、ニュアンスは掴めるのでまぁいいかなという感じです。
こういう小作品がローカライズされただけでも満足すべきなのでしょう。
満足な英語力がない自分も悪いので……
「海底お化け屋敷」として見たら秀逸ですが、ゲーム自体のストレスフルな仕様で大きくマイナスされてしまい、一度クリアしたらもう十分な内容、というのが正直なところです。
そのクリアすら一度諦めかけました。短いゲームながらも根気が必要になってくると思います。
「これより面白いゲームは沢山あるのでは? 」という感情を抑え、クリアのためにクリアしました。エンディングは良かったので結果的には正解でしたが。
確かにホラー演出は秀逸ですが、それらはほとんど海底施設内で発生し、外の海底移動パートは単調かつストレスばかりが残りました。理不尽な落下死などもモチベーションを大きく削いでくれました。
海底の雰囲気は良いのですが、O2残量があるのでじっくり見て回るといったこともなく、振り返ってみるとあまり記憶に残っていません。
決してオススメはしません。
「深海」「ホラー」どちらかに興味があるだけでは不十分で「深海ホラー」という世界観に興味がある方なら手を出してみてもいいかも知れない、といった及び腰でしか勧められません。
エンディングの内容にしろゲーム自体の出来にしろ、人類に深海はまだ早いということを教わった約5時間の体験でした。
丸々一ヶ月を費やした超大作をクリア後はデザートのような小作品で一息つこうと思い、まるでその需要を見計らったかのようなタイミングで配信された本作に手を出しました。
久しぶりにホラーゲームをしたかったのもあります。
バージョン アップデートなし
難易度 設定なし
クリア時間 約5時間
トロフィー取得率 15%
【良かった点】
◎システムと巧みにリンクした「静」のホラー
突然大きい物音で驚かせたりする演出はほとんどなく、静かにじわじわと不安や焦燥を煽ってきます。こういう「扉を開けるのが怖い」タイプのホラーゲームは好きです。
秀逸だと思ったのが、死体や危険生物に近づいたり、ホラー演出に巻き込まれたりすると
主人公の呼吸が荒くなって「O2摂取量 高」と表示され、実際にO2(酸素)残量が激しい勢いで減少してゆくシステムです。
本作の主人公は特殊な潜水スーツを着用しており、メニュー画面を開いているとき以外は常にO2残量がリアルタイムで目減りしていくので、恐怖が演出にとどまらずゲームプレイにちゃんとリンクしているのは素晴らしいと思いました。
○トライ&エラーを念頭に置いた親切設計
一度入手したアイテムはリスポーン後も入手済になっていたり、チャプターごとに入手可能なアイテムが一覧で見られたり(クリア後のみ?)と、短いプレイ時間に反してなかなか親切設計です。
○基本的に一本道
常にタイムリミットがあるゲームなので、下手に探索要素を強化せずに、ほぼ一本道の中にゲームプレイを濃縮したのは良かったです。
そうは言っても迷子になりやすいのですが(後述)
○捻りのあるエンディング
勘の良いプレイヤーならオチの可能性に気が付きそうですが、私は考えもしなかったので、エンディングは普通に感心しました。その後のスタッフロールの演出も切ないです。
【気になった点】
×操作性
ホラー演出としてあえて操作に制限をかける、というのはホラーゲームによくある措置ですが、これはちょっと度を過ぎて悪いです。開始5分で止めてしまう人がいても責められません。
何が悪いというと全体的に悪いのですが、一番は移動、特に足下を見られないということ。
真っ暗な海底で足下を見られないため、ご想像どおり落下死が頻発します。足下を見られないのがホラー演出として効果的かというとそうでもないと感じましたし、単にストレスでした。
照明弾もありますが入手数に限りがある上、少し離れると自然消滅してしまいます。ゲーム内オプションやモニタの設定を変えるのが対策になります。
あと、ナイフで一部の危険生物を攻撃できるのですが、離れていても当たらないし、近すぎても何故か攻撃自体が発動しないので、タイミングが難しいです。先制攻撃を当てようと試行錯誤している間に酸素残量は容赦なく減っていくので、スラスターですり抜けて無視するのが一番です。
私はもうナイフ攻撃自体を諦め、すり抜けできそうにない時は敵にわざと巻き付かれて緊急回避で追い払っていました。
攻撃されるとO2残量がごっそり減ってしまうのを覚悟でしたが、O2ボンベ自体はわりかし手に入るので何とかなりました。
×導線のわかりにくさ
これは間違いなく詰むプレイヤーが出ると思います。単純に迷子になるか、探索に耐えられない劣悪な操作性に音を上げるかで。
海底施設内はマシですが、海底移動パートが酷い。ただでさえ暗い海底はどこを向いても似たような地形で、強調表示などもないのでかなり混乱します。
更に、亀の歩みのような歩き速度・見えない足下・スラスターを使えばマンガのような落下死・落下死多発地点で照明弾を撃てば照明弾も落下・ギチギチ音を立てながら追ってくる即死攻撃使いの甲殻類・どついてくる深海生物・そうこうしているうちに減るO2残量と、悪条件がミルフィーユのごとく重なってきます。
私は二度ほど迷子の果てにO2切れで死に、この悪条件をもう一度味わうということが非常に億劫に感じられて、一気に萎えてしまいました。
「よそ見せず、前を向いて一番明るい道を行く」
「素直にいかにもな地形を進む。脇道に行くだけ損」
「緑の人が出たら後を追う」
などを気をつければ多少マシになります。
私がやった限りでは、多少迷っても何とかO2確保は間に合うバランスになっていると感じましたが、最後の海底移動チャプターはかなり不親切なので、何度かやり直す覚悟が必要だと思います。
△トライ&エラーの微妙なストレス
微妙にロード時間が長かったり、場合によってはリスポーンがやや遠かったりして、このゲーム規模ならギリギリ許容範囲に収まるものの、最後まで気になりました。
△デフォルトのBGM音量が耳に痛い
ヘッドフォンを装着しているのが耐えられなかったので、オプションから音量を100→50に半分下げました。こうやって設定を変えればいいだけの話なのですが……
△(日本語版のみ)ローカライズがお世辞にも……
素人目にもぎこちなく、ニュアンスは掴めるのでまぁいいかなという感じです。
こういう小作品がローカライズされただけでも満足すべきなのでしょう。
満足な英語力がない自分も悪いので……
【まとめ】
「海底お化け屋敷」として見たら秀逸ですが、ゲーム自体のストレスフルな仕様で大きくマイナスされてしまい、一度クリアしたらもう十分な内容、というのが正直なところです。
そのクリアすら一度諦めかけました。短いゲームながらも根気が必要になってくると思います。
「これより面白いゲームは沢山あるのでは? 」という感情を抑え、クリアのためにクリアしました。エンディングは良かったので結果的には正解でしたが。
確かにホラー演出は秀逸ですが、それらはほとんど海底施設内で発生し、外の海底移動パートは単調かつストレスばかりが残りました。理不尽な落下死などもモチベーションを大きく削いでくれました。
海底の雰囲気は良いのですが、O2残量があるのでじっくり見て回るといったこともなく、振り返ってみるとあまり記憶に残っていません。
決してオススメはしません。
「深海」「ホラー」どちらかに興味があるだけでは不十分で「深海ホラー」という世界観に興味がある方なら手を出してみてもいいかも知れない、といった及び腰でしか勧められません。
エンディングの内容にしろゲーム自体の出来にしろ、人類に深海はまだ早いということを教わった約5時間の体験でした。
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