ゲームクリア感想133_プレイグテイル-イノセンス-(PS4版)


公式サイトはこちら(日本)


 何年か前に発表されたとき、そのユニークな世界観に一発で惹かれました。
発表から発売まで長く、音沙汰のない時には本当に開発が進んでいるのか心配になったものの、無事発売されたときにはホッとしたのを覚えています。
 日本語版は出なくても仕方ないと思っていたのですが、まさかの発売が決まり、喜び勇んで購入しました。



バージョン 1.06
クリア時間 約20時間(一周半)
トロフィー取得率 100%(プラチナ取得)


【良かった点】


◎予想以上に軽快なゲームプレイ

 嬉しいことにローディングのストレスはほとんどないです。章の切替時の読み込みが長いくらいで、リトライも速い部類なので安心してゲームオーバーを迎えられます。自分も仲間も攻撃されるとほぼ即死かつ、一歩ネズミ軍団のいる方向に足がズレただけでも事故死するので、リトライの速さは助かりました。

 操作性も思っていたより軽快でした。足場の運搬がまごつきやすい以外は同ジャンルのゲームとほぼ同水準の操作感を保っています。


◎ユニークな攻略システム

 ネズミの大群と人間、二種類の敵の特徴を把握して、その場に最適なアイテムを活用して道を切り開く攻略は新鮮でした。人間相手のステルス攻略なんかはありがちなものの、そこにネズミの大群が加わったことで攻略の幅が広がっていると感じました。

 また、全体的に難易度が低めなので、何時間も同じ地点で詰まるようなこともなかったです。
 ステルス中心ですが、バトルで切り抜けたければそれも可能という幅の広さもあります。


◎陰鬱で陰惨な世界観

 世界の終末ぶりが半端なく、こんな疫病と死体まみれの世界で必死に生き残る意味があるのだろうかと思うレベルです。これで史実をベースにしているのだから、フィクションとして誇張されているとはいえ、疫病の恐ろしさを実感させられます。

 また、主人公も仲間もみんな子供で、作中に出てくる大人は数人を除いてみんな敵という容赦のなさです。疫病は人間に悲しみまで撒き散らしていくんだなぁと……仲間とて最後まで円満という感じでもなく、ラスボス格も胸糞の悪いヤツで、実にハードな人間関係が展開されます。


◯(PS4版のみ)プラチナトロフィーが取得しやすい

 念入りに探索するプレイヤーなら一周目(と少し)で獲得できてしまうかも。
理不尽な取得条件のものはほぼなく、チャプター選択も可能なので環境としては親切な部類です。収集物も獲得した時点で記録されるので、そのチャプター分を回収し終えたらそこでやめてもOKです。

 自分の場合は一周目をクリアしたら攻略サイトを参考にして、まず面倒な最終チャプターの取りこぼしから回収して、チャプター3あたりから通しプレイで再開して、他の取りこぼしを回収していきました。

 注意点としては、各種アップグレード状況はクリア時のものが引き継がれないので、取得できなければ必要分の素材が集まるまでやり直しが必要な点です。
 一周目は「スリング」からフルアップグレードして「装備」はアップグレードしきれなければ二周目以降、みたいに分けると効率的かと思います。


◯それなりのボリューム

 これも予想よりも多かったです、一周が5時間程度なのを覚悟していたのですが、なんだかんだでそこそこの内容量でした。


◯グラフィック

 ステージごとの明暗の差が印象的でした。暗闇や夜間は明かりの有無が生死を分けるので、より印象深いです。


◯BGM

 安心と信頼のOlivier Deriviere氏が担当しています。アサシンクリード4自由の叫びやゲットイーブンとはまた違ったテイストで、シンプルながら耳に残る弦の音が良い雰囲気を出しています(公式サイトを見たらDying Light2も担当するとのことで歓喜)




【気になった点】


△強制バトル

 慣れれば大したことではないものの、特にバトルが楽しいわけでもないので……演出としては必要なのだろうしということで許容範囲ではあります。


△ストーリー

 期待していた点だからこそなのか、今ひとつ入り込めませんでした。
まず主人公は姉として弟を守るように言われるものの、諸事情により弟と特別親しいという訳でもない上に、序盤は弟のわがままや泣き言に振り回されるので愛情も湧きにくく、主人公の弟に対する愛情にイマイチ共感できず……

 もっとも、弟とは中盤辺りから関係も安定してくるのでまだ良いのです。
気になったのは主人公と弟の両親で(特に母親)、これはいわゆる「毒親」というやつでは?

 病気の弟だけを寵愛して、姉である主人公にはろくな情報共有もせず、状況がギリギリになって、会えるかどうかもわからない主治医のところに連れて行けと命じる身勝手さで、いくらなんでも主人公が不憫すぎる。その弟も序盤は感謝の一言もなくわがまま放題で、余計に愛着が湧かなくなる。状況が状況なので仕方ない面もあるにせよ、ちょっと身勝手すぎるし、子供たちの無条件の思慕に甘え過ぎでは?

 前述の通り大半の大人は敵な世界観なのですが、肉親すら最終的には頼りにならず、子どもたちだけで大人を越えていく必要がある、ということでこういうキャラクター造型にしたなら上手く行っていると思います。


【まとめ】


 「ストーリー体験重視で操作周りはそこそこ」なイメージを抱いていたのですが、そんなことはありませんでした。
 操作性も良く、ボリュームも十分で、攻略の幅もそこそこあり、これといった不具合もなく、同ジャンルの大作に匹敵するクオリティを保っている良作でした。

 ちょっとグロ表現が激しいので人を選ぶものの、難易度も低めなので、情報をチェックして世界観が気になったら遊んでみても後悔はしないと思います。強制バトルがストレスでしたが、慣れてしまえばすぐに終わります。一周と少しでプラチナトロフィーも夢じゃないので、コストパフォーマンスも良いです。
 ちなみに吹き替えなし字幕翻訳ですが、強制バトル中の会話を聞き逃しがちなくらいで、翻訳周りではさほど不都合なことはないです。

 毒親云々は私見なので気にしなくてもいいです。ストーリーよりも、思った以上に攻略自体が面白いゲームだったので、最終的には気にならなくなります。

 2019年も終わりに差しかかって「おすすめホラーゲーム」の棚に一作加わりました。
プライベートでやることがあり、ゲームに割く時間の確保が以前より厳しくなったので、今年はクリアできてもあと一作程度になると思います。
 また一年間まとめ記事の季節がやってきましたね……





コメント

  1. 命がけで子供を助けてるのに毒親とか意味わからんな
    それに中世では男子は後継者なんだから優遇されて当然でしょ。後今では未成年だがアミシアほどの年齢ならもう中世なら成人だろ。大人が子供の扱いを不平等だと思う方がおかしいわ
    それに身勝手というが身勝手にしかならざる得ない状況でしょ
    もうちょっと時代背景考えてくれ

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