ゲームクリア感想83:デウスエクス マンカインドディバイテッド(PS4版)

前作の記事はこちら

予約開始とほぼ同時にダウンロード版を予約するくらいの期待作でした。
前作はなかなかにハマったので、正統続編である今作が発表された時は本当に嬉しかったです。トレーラーに至っては何回も観ました。

機種:      PS4(ダウンロード版)
クリア時間:   40時間くらい
難易度:     ストーリー重視(easy相当)
トロフィー取得率:17%


【良かった点】

◎(日本語版のみ)ローカライズの充実

スクウェア・エニックスはどういう訳か、このシリーズのローカライズにかなり注力していて、前作はその充実ぶりに感心しました。今作でも、モブまでしっかり日本語吹替されているので安心です。ゲームデザイン上、チェコ語で話すモブはそのままですが、それにも字幕対応があります。
 主人公の声は相変わらず格好いいです。

◎ニューゲーム引き継ぎが可能になった

前作にこそ欲しかったですが、無事新作で実装されて良かったです。

◯探索・攻略の自由さ

売りにしているだけあって、ステージ攻略は常に色々な選択肢が取れます。
ハッキングとステルスを駆使してノーキルで進むか、テイクダウンを駆使して障害を除きながら進むか、遠距離狙撃で頭数を減らして進むか、正面突破で進むか、これらを組み合わせて進むか、好きな方向性で攻略できます。ステージが広くないぶん、取れるアプローチで広がりを出しているイメージです。
 私はトロフィー取得のために全編ノーキルを目指していたので、ハッキングとステルス、たまにテイクダウンで敵を倒しながら進めました。

 また、前作ではメールやebookなどのテキスト類を探索して集めるのが好きだったのですが、その楽しさもしっかり受け継がれていました。

◯ストーリー面

まず、ゲーム内でいつでも前作のダイジェスト動画が観られるので、前作未プレイでもさほど問題なく世界観を掴めると思います。私もほとんど忘れていたので、この配慮は助かりました。
 そしてメインストーリーは、ゲーム序盤で発生した事件の真犯人を追うという流れになりますが、差別や偏向報道、警察の支配やテロリズム、人間の進化の是非などの現代的なメッセージ性が込められていて、それなりに思う所のある内容でした。
 また、ゲーム進行に伴って街の状況が変化していくのが面白かったです。

◯ゲーム内の美術

素通りするような何でもない小物やオブジェクトがかなり凝った作りで、たまに足を止めて観察すると楽しいです。特にマンションなんかは部屋ごとにちゃんと住人の特色が出ていて、細部から余念なく世界観を作っています。

◯「調べる」が基本のゲームだからこそ

一度アイテムを入手した場所はハイライト表示が消えるのが、地味に有難かったです。
探索が快適になりました。


【気になった点】

×ロードが相変わらず長い 

ダウンロード版でも長いです。特に街中でのリトライが一番長く、15~20秒は掛かります(他の攻略ステージは10秒程度で終わる所もあります)。
 どちらかと言えば街も狭く、しかもトライ&エラーの側面が強いゲーム内容なのに、この辺が特に改善されていないのは残念でした。
 更に言うと、街をしょっちゅう地下鉄で行き来するのに、それにも長いロードが挟まるのもストレス。

×非常に難のある操作性

ゲーム開始からエンディングまで、操作による爽快感といったものは一回もありませんでした。
操作体系を選べる(今作・前作・FPSのオーソドックスな操作)ので、私はとりあえず今作からの新しい操作で開始しましたが、これがかなり癖があります。
 まず「壁に向かって左スティックを倒す」というカバー操作に慣れず、序盤は何度も失敗して見つかりました。
 次は武器のしまい方が解らなくなりました。「L1+□長押し」が武器を構える/しまう操作なのですが、この長押しの加減のコツを掴むのが大変でした。
 その他、武器周りの操作が入り組んでいて、もう操作を覚えるのが面倒になってきて武器自体を使わずに攻略することが増えました。
 他の操作に変更すれば良かったのですが、また新しい操作に慣れるのも面倒だったので、何をとっても非直感的な操作に辟易しながらクリアしました。

×全体的に前作からスケールダウン

まず、街が一種類しかないです。ハードが進化したら街は増えるものだと思っていましたが、一つ減ってしまいました。
 プラハというあまり舞台に抜擢されない土地は新鮮でしたが、前作のデトロイトやヘンシャほどの魅力には及ばなかったです。前作の街は常に夜だったのに対し、今作のプラハは曇り空から始まるのも印象の弱さに繋がっているのかも知れません。

 また、プラハ以外のロケーションも、序盤で訪れるゴーレムシティ以外は似たような建物ばかりで、やはり魅力に欠けます。良くも悪くもリアルな作りで、前作みたいなダイナミックだったり未来感溢れていたりする場所は殆ど無かったです(ラストステージすらパッとしない)。

 ストーリーも、主人公の行動する動機があまり良くわからないというか、誰のために何のために働いているのかもハッキリしないまま進むので、常に釈然としない感がありました。大義の為に働いている感じでしたが、前作では婚約者を救出するという明確な目的があったのに比べると、ぼんやりしたキャラクターになってしまいました。
 話自体も、一つの事件で始まり事件で終わるので、前作のDLCみたいなこじんまりとした内容に終わってしまったかなと思います。
 恐らく、続編ありきのストーリー構成なのでしょうが……

×買い物が手間なのに加えて不快

マスエフェクトあたりもそうなのですが、こちらは買い物をしたいだけなのに微妙に長い会話を始めるのは止めて欲しいです。更に買い物が終わっても会話モードになる上「次は買え」「早く失せろ」などの暴言を吐かれる始末。
 それでいて買い物はPC画面で行うのだから、もう初めから買い物用PCをタッチして即買い物で良かったのではと思います。

×(日本語版のみ)一部DLCが未配信

本国での発売は去年の夏で、もうDLCも出尽くしているにもかかわらず、収録されているのは3つの内の1つだけという体たらく。
 トロフィーリストだけなら出ているものの、最新DLCのトロフィーだけ未翻訳というツメの甘さ。あまり売れそうに無いソフトにお金を掛けられないのは解りますが……

△ハッキング

もう飽きました。しかも量が多いので更に飽きました。
なんか微妙に新要素が増えていましたが、ほぼ代わり映えしないので飽きました。


【まとめ】

正直に申し上げて、前作よりもつまらなかったです。期待よりも低い体験しかできませんでした。

・操作のダルさ
・ロードの長さ
・ストーリーの単調さ
・世界観のパッとしなさ
 の4つが合わさって、見事なまでに終始テンションの上がらないゲームでした。朝から大雨の月曜日みたいなダルさ・眠さを抱えたまま、半ば義務感でエンディングまで進めました。

 前作は引き継ぎ要素がないにもかかわらず、2周目をやりこみましたが、今作では周回する気もトロフィーを収集する気も湧いてこないです。
 メッセージとかアートとか、そういう方面は流石といった感じなのですが、何だか意識高い感じが先走って、ゲームとしての楽しさがちょっと軽んじられていると感じました。
 今後のDLCは一応購入予定ですが、どうも世界的に売上が芳しくないようなので、日本では未配信もあり得るものと考えています。
 続編に関しては……話の続きが気にはなりますが、今作みたいな出来だったら遊ばないなという程度のモチベーションです。
 どうしてこんなことに……デウスエクス……


 あくまで私個人の話ですが、2006~2015あたりまで猛威を奮っていた大作洋ゲーにも、いよいよ飽きが始まってきたかなと感じます。
 ホライゾンゼロドーンは例外的に、既存作品の不満点を解消した、非常に面白い新世代のゲームでしたが、逆に言うと「ホライゾン以前」と「ホライゾン以降」という分断が私の中で発生してしまい、今作は運悪く「ホライゾン以降」直後に国内発売されてしまったので、私の中でも見る目が厳しくなってしまった、というのはあります。
 せめて発売が去年あたりならもう少し楽しめていたかも知れません。

 5月から7月にかけては、現時点でこれといった新作が発表されていないので、E3で色々な新作情報を期待しつつ、積みゲーを崩していこうかなと考えています。










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