ゲームクリア感想55:スペックオプス ザ・ライン(XBOX 360版)
ご多分に漏れず、シナリオの高評価と舞台設定(砂嵐で壊滅したドバイ)が以前から気になっていたので購入しました。三年前のゲームですが特に古いと感じることもなかったです。
一周目はクリアまで約6時間、難易度はノーマルでチャプター13からイージーに変更、
二周目は約5時間で難易度イージーでした。
最近にしてはかなり短いです。マルチプレイは未プレイ。
【良かった点】
- ゲームを止めた後でも思い返せる印象深いシナリオ
私は民間人の命を奪えるような自由度を持つゲームでもなかなか悪人プレイが出来ないタイプなのですが、今作では「もはや全員死ぬしかない! 」と思い引き金を引きました。
距離を置いているつもりでもいつの間にか世界に引き込まれている、恐ろしい魅力があります。二周目を遊ぶことでイベントの細かいシーンにも伏線が張られていることが解る作りも巧いです。
極限状態に陥っても人間性を保てるかという、一見ありがちな問いかけに初めて向き合った気がします。
- 臨場感ある細かい演出
個人的に好きなのは戦闘中の演出で、カバー中はカメラが主人公の正面に来るので表情がよく解るし、リロードしたら「reloading!」とこっちが驚くデカい声で叫ぶし、ダメージを受けたら自動回復するまで苦しそうな表情になるし(これがよく動いてリアル)、厄介な敵が出てきたらスナイパーかショットガン持ちか重装兵か仲間が無線で教えてくれたり(英語音声ですが)と臨場感があります。
私が遊んだ限りのこの手のゲームは、仲間はともかく主人公はイベント以外無言で敵を撃つだけだったので、今作の表情豊かな主人公が新鮮でした。
この主人公はリロード中に限らず、敵を倒したりグレネードを投擲したり撃たれたり仲間に命令したりのたびに叫ぶので、それも没入感を高めていたと思います。
また音楽面に力が入っており、戦闘では戦闘曲が流れる他にも、実在のミュージシャンの楽曲が流れたりします。 これがかなり盛り上がります。
イベントに関しても間延びするものは一つもなく、グロテスクな描写も作品のテーマを損なわずしっかり表現されていました。白リン弾だけは御免被りたいと心から思います……
- 現状唯一無二の舞台の雰囲気
また舞台設定はしっかりゲーム性にも反映されていて、ガラスを破壊すると建物内に詰まった砂が溢れて敵を埋める、といった様なギミックもあります。
地震や水害に比べると砂嵐の凶悪さはピンと来なかったのですが、ゲーム内のテキストで砂嵐の時速を知って絶望的な気分になりました。
こりゃドバイも壊滅するし、NARUTOで砂使いが現れるわ……
- 実績が比較的獲得しやすい
また、ゲーム中の重要な選択に関わる局面では大抵実績が用意されています。
「本当はしたくないけど実績解除のためには仕方ない」と思いながら無慈悲な選択をするプレイヤーの姿が見透かされているようです。
マルチプレイが実装されているのにも拘らずマルチプレイ専用実績なしなのも嬉しいです。
【気になった点】
- カバーとダッシュの操作性に難あり
あとはダッシュも慣性が強く、直感的に走れないのであまり使わなかったです。暴発して変な所に滑りこむ危険もあるし。
- ステルス攻略のやりにくさ
何時間経っても巡回ルートが変わらなかったり、特殊能力で敵の位置がわかるのは現実感に欠けるというのも解りますが、折角ステルス攻略できる要素が揃っているのにうまく動いていない印象です。
- リトライ後のローディングが長い
【まとめ】
ゲーム性面で細かい不満はあるものの、一周10時間未満というボリュームの少なさが一切気にならないシナリオと演出はとても良かったです。これ以上長すぎても短すぎても不自然だし、綺麗に一作で完結していると思います。
個人的には、久し振りにゲームのシナリオで引きこまれました。ここ最近で遊んだ新作は、ゲーム自体は面白いけどシナリオ面が今一つ物足りなかったので。これでリトライ後のローディングさえ何とかなればと思います。
あと、今作の開発元Yager DevelopmentがらDead Island2の開発から手を引く事になったニュースが少し前にありましたが、今後どうなるんでしょうか……
Dead Island2自体は、動画を見る限りでは前作とあまり代わり映えしなく、舞台設定もピンと来なかったのでテコ入れされるとは思っていましたが、これは来年内に出るかどうかも怪しそうですので気長に待ちます。
この契約解除が原因なのかYager Developmentは破産申請したらしく、こうなるとスペックオプスの新作を期待するどころじゃないですね……
ゲームは楽しいけど社会は厳しい。
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